ナノテクノロジーが身近な産業、たとえば自動車や化粧品などでも基盤技術として定着しはじめてきた。ナノテクノロジーにおいては超微細加工が中心的な技術である。バルクの基本的な特性に対して表面や界面の機能が材料にとって全体的に大きな効果を持っている。このような機能には、表面や界面における1~2分子層程の領域が関与している。したがってこの層と同程度の機能阻害物質が表面や界面に存在すれば全く期待した機能の発現は見られない。このようなことにならないように表面や界面を管理するのが洗浄技術といえる。
 様々な産業へのナノテクノロジーの浸透にあわせて洗浄技術の高度化が必要となる。本書はこのような背景のもとに最近の洗浄に関する技術をまとめたものである。日本経済の飛躍をになう技術の有用な支援として活用していただきたい。